「地面師」とは?|積水ハウス55億円詐欺事件

「地面師」とは?|積水ハウス55億円詐欺事件

2018年10月16日(火)のニュース、

「地面師」ら12人強制捜査へ
積水ハウス55億円被害

はご覧になりましたか?

不動産投資に興味がある方なら、
詐欺被害者にならないためにも
この事件の概要を知っておくべきです。

今回は、ニュースの概要と

そもそも地面師とは?

という点について、解説していきます。

「地面師」とは?

【結論】
地面師とは、土地の所有者になりすまして、土地を売り、その購入代金をだまし取る詐欺師のことです。

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ニュースの概要

住宅大手「積水ハウス」(大阪市)が
東京都内の土地取引に絡み約55億円をだまし取られた事件で、

所有者を装い売却に伴う所有権の移転登記をしようとしたとして、
警視庁捜査2課が近く電磁的公正証書原本不実記録未遂と偽造有印私文書行使の疑いで、

会社役員の男(63)ら男女12人を強制捜査する方針を固めたことが15日、捜査関係者への取材で分かった。

同課は、他人の土地を無断で売買して利益を得る「地面師」グループが事件を主導したとみている。

▼積水ハウスが購入代金をだまし取られた土地

引用:産経新聞「地面師」ら12人強制捜査へ 積水ハウス55億円被害

地面師の手口とは?

地面師の詐欺行為の手順は下記のようなものです。

膨大な不動産情報から土地の権利者関係、交友関係、家族関係などを下調べする

身元がバレにくく、買い手がつきやすい土地を見つける

買い手を探して、所有者になりすまし商談
(突撃で商談するというより、買い手側のキーマンに根回しをして信頼感を高めてから商談するというケースが多いようです)

土地を売却して、買い手から多額の金を受け取る

姿を消す

つまりは、
オレオレ詐欺などと同様、
巧妙に「なりすまし」をすることでお金を騙し取る手口です。

みなさんが疑問に思われるポイントは、

同じ系統の詐欺である「オレオレ詐欺」でターゲットにされるのは、判断力が低下した高齢者である一方で、

なぜ地面師は、

積水ハウスのような大企業をターゲットにするのか?

さらにダマすことができてしまうのか?

という点かと思いますので、解説していきます。

なぜ大企業がダマされるのか?

【結論】
■なりふりかまわず、良い土地が欲しい大企業
■手口が巧妙化する地面師
という両者の関係性が要因です。

良い土地がほしい大企業

現在、不動産業界では
壮絶な土地の奪い合いが、繰り広げられています。

東京オリンピック誘致の影響で、
地価が、バブル時代に近いほどの上昇傾向を見せているためです。

ですので、土地を求める不動産関連企業にとっては、地面師が紹介してくるような

・まだ公開されてない
・相場より安い

というお買い得な土地は、
どうしても手に入れたいわけです。

また、大企業は競合他社も自然と意識してしまいます。

お買い得な土地を、入手できないだけでなく、
競合他社にとられてしまったとなれば、大きな損失となるので、

最低限の手続きで迅速に決済を進めようと焦り、
その焦りが判断力を鈍らせます。

また、地面師側としても
一度の成功で大きな報酬を騙し取れた方が効率が良いため、

決済金額の大きい大企業をターゲットとする傾向があります。

手口が巧妙化する地面師

地面師が土地の所有者になりすますための、
「偽造技術」が進化しているのも、大企業がダマされる要因の一つでしょう。

土地の取引で必要な書類は、

■土地の所有者の本人確認書類
(免許証やパスポート)
■印鑑証明書
■権利証

などが挙げられます。

これらの書類はプロの司法書士が厳しくチェックするので、
今までは、なかなか欺かれることがありませんでした。

しかし今は、
3Dプリンターなど偽造に関する最新の技術が急速に発展しています。

最新の偽装技術を駆使した書類は、
もはや司法書士のチェックでも偽造を見抜きようが無い状況です。

地面師が事前に役所に行って、司法書士が確認の元にする原本書類を事前に差し替えてしまっているケースもあるようです。そうなると、いくらプロの司法書士と言えど、見抜きようがありません

あなたが地面師にダマされないために

今回のターゲットは大企業でしたが、
個人がターゲットになるケースも充分ありえます。

読者の方が大金を騙し取られないためにも
対策を2つ挙げておきますので、参考にしてください。

売主の住所に直接訪問してみる

謄本に書いてある住所に、突然訪問してみましょう。

地面師があなたの訪問に備えて、住んでるフリまですることは考えにくいので、最もシンプルで有効な対策です。

信頼できる司法書士を頼る

大企業もダマされるくらいですから
一個人が詐欺を見抜くのは、至難の業です。

そこで頼りになるのは、結局司法書士です。

信頼できる司法書士に依頼できるかが、重要なポイントとなりますので、

経験豊富な方に依頼すべきです。

騙されかけた経験があったり、今回のような事件の経緯をよく知っている人であれば、入念に書類一つ一つをチェックしてくれるでしょう。

まとめ

今回は、「地面師」ら12人強制捜査へ 積水ハウス55億円被害についてまとめてみました。

不自然に大きい被害金額を踏まえて
「積水ハウスに内通者がいたのでは?」
という声もあがっている今回の事件。

逮捕者が出たことにより、これから真相が暴かれていくことでしょう。

サラリーマン大家としてすべきことは、
まず地面師の手口を把握しておくことです。

そうすれば、いざ自分の身に降りかかった際に、
しっかりと対策できるでしょう。

 

「理解できたかな…」と不安な方は、

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