「スルガ銀行 不正融資」
こんな言葉を最近、ニュースでよく見かけると思います。
2018年10月5日、
当事者であるスルガ銀行に対して、一部業務停止命令が出たことで、テレビからネットまで、各メディアで取り上げられています。
今回は、サラリーマン投資家という視点から
「スルガ銀行は何が悪かったのか」について、
なるべくわかりやすくお伝えします。
早速、結論からいきましょう。
スルガ銀行は何が悪かったのか?
儲かるはずがない不動産投資に融資して、サラリーマン投資家を破綻に追い込みました。
融資を行うために書類改ざんなどの不正もしていた模様です。
スルガ銀行ってどんな銀行?
不動産投資に対して、かなり積極的に融資をしていた銀行です。
審査が早い
銀行が融資の審査をするには、
・投資する物件の価値
・投資する人の収入や与信情報
を確認するため、通常1ヶ月はかかります。
しかし、スルガ銀行は3-5日という異常なスピードで審査していました。
融資期間が長い
融資の期間は、物件の耐用年数を踏まえて決めるケースがほとんどで、
多くの金融機関は耐用年数を超える期間の融資はしません。
一方でスルガ銀行は、
独自のルールで法定耐用年数を超えて、最大30年間の長期融資を行っていました。
フルローン・オーバーローンOK
銀行は貸倒リスクを防ぐため、
1~3割程度の頭金を求めるのが一般的です。
しかし、スルガ銀行は
・フルローン
(物件価格すべて融資)
・オーバーローン
(物件価格だけでなく、その他諸費用も融資)
を行っていました。
元々、スルガ銀行も1割ほどの頭金が必要だったので、ここに不正があったようです。
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融資エリアは全国
銀行の不動産融資は通常、支店があるエリアに限られるのですが、スルガ銀行は全国で融資を行っていました。
スルガ銀行の店舗は、静岡県と神奈川県で8割以上を占めています。
その店舗所在地から考えると、
全国への融資というのはなかなか他行では見ない対応です。
でも金利が高い
不動産投資の金利はだいたいが2~3%程度ですが、
スルガ銀行の金利は通常3.5~4.5%と非常に高いです。
金利は高いですが、
その分、不動産投資家にうれしいメリットが非常に多いので、
融資を受けたいという投資家は多く、不正発覚までの業績は好調でした。
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「かぼちゃの馬車」の経緯
今回、スルガ銀行が融資を行っていたのが、
スマートデイズ社が運営する女性専用のシェアハウス「かぼちゃの馬車」です。
約700人のサラリーマン投資家に、
合計で1,000億円以上の融資をしたと言われています。
1、スルガ銀行が物件の価値を精査せず融資
「かぼちゃの馬車」物件の大半は、
少し調べれば入居付けができないことがわかるリスキーな物件です。
しかし、スルガ銀行は物件の精査をせずに、融資を続けました。
2、スマートデイズがサブリース契約を無効にした
スマートデイズは「30年間の家賃収入を保証する」サブリースという仕組みを提供していました。
しかしながら「かぼちゃの馬車」の入居率は低く、
またサブリースで保証していた家賃も相場より割高であったため、
スマートデイズ社は投資家への家賃の支払いできなくなり、サブリース契約を突如無効としました。
3、サラリーマン投資家の破綻が続く
サブリースが無効となったため、
投資家は想定していた家賃収入が得られず、
スルガ銀行への返済ができなくなってしまいました。
・融資金額が1億円
・融資期間30年
・金利3.5%
となると月々の返済額は約45万円ですから、
一般的なサラリーマンに返済できる金額ではありません。
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「スルガ銀行」は何が悪かったのか?
上述の「1、スルガ銀行が物件の価値を精査せず融資」において、
書類の改ざんを行ったのが問題です。
「かぼちゃの馬車」物件はリスキーなものばかりなので、通常の審査をすれば融資はできません。
そこで、融資が行えるようにスルガ銀行の担当者が
・利回りの高い物件に見えるように
・融資を受ける人の資産が多く見えるように
改ざんしたのです。
スルガの銀行員は厳しいノルマを背負っているため、
「とにかく融資を通さないと…」と必死になっていたことが改ざんにつながったと言われています。
また、スマートデイズ社などの不動産会社から融資が通った際、報酬をもらっていた者もいるようです。
まとめ
つまりは、
・物件を売りさばきたい不動産会社
・融資のノルマを達成したい銀行
という利害が一致した者たちがチームになって
情報弱者であるサラリーマンをだましていたということです。
誰が悪いかと聞かれれば、
不動産投資の知識を身に付けずに投資してしまったサラリーマン投資家含め「全員悪い」と言えます。
誠実でない投資、商売は絶対に長く続きません。
不動産投資は不正などせず、真っ当に進めればしっかり収益の出る投資ですので、
この一件を教訓に「誠実に」不動産投資を進めていきましょう。
「理解できたかな…」と不安な方は、
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