「イールドギャップ」とは?|不動産投資用語をわかりやすく

「イールドギャップ」とは?|不動産投資用語をわかりやすく

「イールドギャップ」とは?

【結論】
利回りと長期金利との差のことです。
<計算式>
利回り(%) - ローンの金利(%)
= イールドギャップ(%)

もう少し具体的に

例えば、
利回りが10%の投資物件
・金融機関から金利2%の条件で融資を受けた

以上のケースでは、イールドギャップは10%-2%=8%と算出されます。

相場はどのくらい?

【結論】1.5%~3.0%です。

1.5%未満ですと、金利が変動することも想定すると、投資するには少々リスキーな印象です。
2.0%以上からが購入の目安でしょうか。

またイールドギャップは、表面利回りで計算しますので「都市部 or 地方」「新築 or 中古」という要因に左右されるという特徴があります。

現在、イールドギャップは高水準

2016年にマイナス金利が導入されたことにより、現在の日本はかつてないほど低金利の時代に突入しています。
金利が低くなることでイールドギャップは高い水準となるため、インカムゲインを狙う不動産投資が主流となっています。

1990年頃バブル絶頂期には、イールドギャップがマイナスになることも珍しくありませんでした。
(利回りが2%で、ローン金利が8%、イールドギャップが-6%というケースはよくありました)
それでも不動産が買われ続けていたのは、今の時代では考えられないほどの値上がり益が期待されていたいからです。

つまり、同じ利回りの物件でも、時代に伴う金利政策によってイールドギャップは大きく変わってしまいます。
ですので、先ほど相場として挙げた数値は、いつの時代でも変わらないものではなく、あくまで参考値としてお考えください。

イールドギャップの注意点

イールドギャップの数値を扱う上での注意点は、
「借入期間が加味されていない」という点です。

イールドギャップが同じでも、借入期間が違うとキャッシュフローが大きく変わってしまうため、注意が必要です。

例えば、
物件価格1億円、利回り8%、金利2%
という条件で購入したとすると、イールドギャップは6%です。

融資期間25年の場合、
年間の返済金額は509万円となりますので、家賃収入から返済を差し引くと800-508=292万円です。

融資期間35年の場合、
年間の返済金額は398万円となりますので、家賃収入から返済を差し引くと800-363=437万円です。

このようにイールドギャップが同じでも、融資期間25年と35年とでは、年間収入に145万円(437万円−292万円)という差が出てしまうわけです。

そのため、イールドギャップだけでは投資する上で充分な判断材料にはなりえません。
他の指標も組み合わせながら、あくまで参考値として確認しましょう。