「不動産投資で節税しましょう」
営業マンからこんなセールストークを聞いたことは無いですか?
毎年、多額の税金を納めるサラリーマンにとって
「節税」は、頼もしい響きのあるパワーワードです。
今回は、サラリーマンの不動産投資と節税の関係について迫っていきます。
「節税」狙いの不動産投資はアリですか?
不動産投資と節税の仕組み
まず、不動産投資で節税できる仕組みについて簡単に説明します。
ポイントは2つです。
1、不動産所得は総合課税
2、不動産所得は帳簿上マイナスになりやすい
1、不動産所得は総合課税
不動産所得は「総合課税」に含まれるので、
もし不動産所得がマイナスであればサラリーマンとしての給与所得と相殺して、全体の所得税を減らすことができます。
2、不動産所得は帳簿上マイナスになりやすい
物件の購入費用をはじめとした諸費用で、大きなマイナスが生じるので、節税になるという仕組みです。
▼諸費用の例
・固定資産税
・ローンの利息
・管理費や修繕積立金
以上、2つのポイントを踏まえた上で、
「節税」セールストークの嘘を暴いていきましょう。
「節税」とは「赤字」
上記の説明でも触れた通り、税金の額はあなたの収入と比例して高くなっていきます。
ですので、サラリーマンが不動産投資で節税するには、会社からの給料を目減りさせるくらいの赤字を出さなければいけません。
つまり、仮に節税ができたとしても、あなたの収入全体として儲かっていないということです。。
「節税できている」とは「不動産投資で赤字を出している」と同義なのです。
赤字が出るような儲からない物件に投資なんてしたくないですよね?
残念ながら、このシンプルな仕組みに気づかず、「節税」セールストークに騙されてしまうサラリーマン投資家が少なからずいます。
なぜ不動産会社がこの「節税」トークを好むかというと、あなたの目線を「節税」に向けさせれば、わざわざ儲かる物件を紹介する必要が無くなるからです。
「節税」は売れ残った赤字物件を、胸を張って提案するための、この上ない口実になるということです。
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「減価償却費」は節税の魔法ではない
「節税」セールストークで、度々登場するのは「減価償却費」という言葉です。
物件の購入費用を、購入時に一括して費用とするのではなく、毎年分割して費用として計上するというものです。
この仕組みによって、実際のお金の支出を伴わない帳簿上の費用が生まれるため、魔法の言葉のように使われることがあります。
しかしながら減価償却費には、賞味期限があるということを忘れてはいけません。
耐用年数を基準として、計上できる期間が決められていますので、その節税効果には終わりがあるのです。
購入する物件にもよるのですが、減価償却費が頼りになるのは最初の数年間だけです。
逆に、ローンの元本部分については、手元から現金が出ていくのに帳簿に経費として計上できないという仕組みにもなっているのですが、営業マンからその点について詳しく説明が無い場合が大半ですので、注意が必要です。
減価償却による節税にばかり目が行っていると、減価償却費より、そのローン元本部分の支払いが大きくなるタイミング(いわゆる「デッドクロス」)で、収支計画が大きく崩れてしまい、節税どころか投資自体の継続が難しくなります。
以上の通り、減価償却費を活用することはもちろん一定の節税効果がを生みますが、
それがそのまま資産形成につながるというものではないのです。
まとめ
今回は、不動産投資でよく耳にする「節税」セールストークについて、解説していきました。
今回の記事で、みなさんに覚えておいていただきたいのは、
「節税は不動産投資のおまけ」ということです。
節税が目的となるような不動産投資の話は、
限定的な富裕層の方にだけあり得るケースで、サラリーマン投資家の方はまず警戒すべき内容です。
本質的に良い不動産投資は、
大きな収益を上げて、たとえ金額が高かったとしても適切な税金を納める。
そして、長く続けていくというもの。
これは経費の計上についても言えることで、怪しい項目を計上して、下手な節税をするとあとから追徴されて、結果的に大失敗ということも考えられます。
誠実な対応が、結局は正解なのです。
資産価値の高い物件に投資して、税金も適切に納める。
節税はおまけにすぎない。
この意識を持っていれば、怪しいセールストークに騙されることは無いでしょう。
「理解できたかな…」と不安な方は、
プロから直接教わるのも一つの手です。
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